名蔵大田原周辺の水田で、稲の苗がカピバラに荒らされる被害が起きている。JAおきなわによると、大田原周辺の水稲農家から7、8件の被害報告が上がっており、昨年11月には収穫前の稲も被害に遭った。近くのあぜ道では巣穴が確認され、カピバラは集めた稲をため込んでいたという。
八重山地区営農振興センター水稲部会の翁長孝夫部会長は「有害鳥獣に指定されていないので駆除ができない。捕獲するしかないが、難しい。市とも相談して対応したい」と話した。JAおきなわ水稲担当の山根聡さんは「雑食と聞いている。近くにパイン畑もあるので心配」とほかの作物への被害も懸念する。
2月18日に植え付け前の苗41箱が被害に遭った石垣市登野城の上地国博さん(74)は「植える前なので保険もおりない。本当に困っている」と話した。
カピバラが最初に目撃されたのは2013年3月に新川川付近。市消防が捕獲を試みたが失敗している。
カピバラはリスやネズミと同じ齧歯(げっし)類で最大種といわれる。南米東部のアマゾン川流域を中心とした温暖な水辺に生息する。