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弥生3月に思うこと

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■別れと新たな旅立ち

 深紅のデイゴが八重山の春を彩る弥生3月を迎えた。3月といえば新たな希望に向かって別れと旅立ちの卒業式シーズンでもある。 「サンシンの日大合奏会」をはじめ週末には市民総合文化祭が開かれる。日本最南端の自然文化都市にふさわしく盛り上げたい。

 さらにきょう5日は「サンゴの日」となっており、サンゴの島らしく先月下旬からさまざまな催しが展開されているが、もう少し全国にアピールするインパクトのある目玉イベントがほしい。

 11日は東日本大震災から4年目を迎える。市や石垣・岩手かけはし交流協会などは犠牲者追悼・復興祈念式を行うが、大震災の教訓を風化させてはいけない。25日は八重山を全国にPRし続けるビギンがデビュー25周年公演、さらに人間国宝の玉那覇有公・有勝親子が14日から紅型展を共に古里石垣で開く。地元として盛り上げたい。

 21、22日には南国八重山を全国にアピールする海開きが開かれる。3市町持ち回りで今回は与那国町だが、年間の観光入域3万人はあまりに少ない。誘客に町の創意工夫が求められるが、自衛隊配備の亀裂修復もカギだ。

■観光産業再び正念場

 7日は南ぬ島空港が開港3周年を迎える。しかしこの節目の今月下旬、宮古と八重山の航空運賃に革命的ともいえる低価格運賃時代をもたらし、現在の観光産業発展と地元住民の生活路線に大きく貢献したスカイマークが撤退することになり、観光業界に大きな衝撃と不安を与えている。

 既存の航空2社は急激な値上げはないというが、じわりと運賃は上がってきており、今後の観光入域への影響が懸念される。八重山の観光産業は開港4年目で再びリーマンショック以来の正念場を迎えている。航空会社と行政と業界の三位一体の連携が必要だ。

 生活路線も県に離島割引運賃適用再開を求めたのは、事実上運賃引き上げを容認するものだ。あくまで現行維持を強く求めるべきだっただろう。

 3月といえば各自治体は年度を締めくくり、それぞれ議会を開いて予算案などを審議して新年度に備える月だ。

■「子ども政策係」を設置

 石垣市は2月下旬に開会し市長が新年度の施政方針も説明したが、新たに「子ども政策係」を設置して子育て支援を充実し、さらにふるさと納税を推進するのは寄付を増やし、特産品を振興する上で必要なことだ。

 子育て支援では、国も大綱を定めた「子どもの貧困」にもっと多面的に取り組むべきだ。幸い県が地域別に初の実態調査をするようであり、3市町も実態に即した取り組みを望みたい。

 アベノミクスで輸入品の値上がりが続いているが、3月もアイスクリームや紅茶、オリーブオイル、冷凍食品などが次々値上がりし、こうした子どもの貧困世帯など非正規社員の家庭などは引き続き実質賃金の目減りが続き、さらに厳しい春となっている。

 八重山も新空港開港以来観光客で活気づき、各業界とも人手不足も顕著だが、依然非正規雇用が大半を占め、厳しさは人ごとではない。「雇用の質」改善のためには、経営陣に「従業員は家族」という意識変革も必要だ。


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