【黒島】今月のセリに上場を予定している雌子牛を対象とした「体型調査検討会」(全国和牛登録協会、沖縄県和牛改良協会主催)が3日午後、黒島家畜セリ市場で行われた。優良繁殖素牛(雌子牛)を地元に残し、母牛改良を促進する県内初の試み。両協会の職員らが16頭の雌子牛の発育や栄養度などをチェックした。
上位3頭は優等のタスキをかけてセリに上場。地元保留に向け、地元関係者による落札を目指す。地元では同検討会をセリ前に定例化する方針。
黒島では、同登録協会の協力を得て5年前から、母牛の改良に取り組み、同協会の池田和徳参与を講師に、さまざまな勉強会を重ねてきた。今回はこの一環。また、町の一括交付金を活用した母牛の更新事業で、鹿児島を中心に優良系統の雌子牛の導入を進めている。
黒島肉用牛生産組合の仲盛浩吉組合長は「優良牛の導入と良い牛の自己保留で、母牛の更新が進み、セリ価格も石垣島と変わらなくなった。今後も購買者のニーズに応えるよう地元で取り組みたい」と述べた。
5年前から黒島の牛をみてきた同協会の池田氏は「5年前は母体が悪く、(育種価の)70点台の点数が低い母牛が多かったが、現在は母牛の点数も80点以上が増え、全体的にレベルが上がってきた」と評価。
また、「農家の意識が変われば牛が良くなる。それが(セリ)価格にも反映する」と述べ、「いかに良い牛を残すかだ。これが産地形成につながる」と今後の課題を示した。
この日は、未経産牛の基本登録に向けた集合審査も行われ、農家が10頭の牛を比較しながら、母牛としての良しあしを学んだ。