「石垣に児童館はないの?」と県外から移り住んだ友人に不思議そうに聞かれた。十数年前から要請があるのに整備されてないのが児童館▼その役割を担う「市子どもセンター」が5周年を迎え、利用者らが節目を祝った。オープン以来、年間2万人以上が利用、ニーズは年々高まっており島外からの移住者の利用も多く親同士の交流の場になっているようだ▼児童館は0歳から18歳までの子どものための福祉施設。乳幼児や小学生が利用するイメージが強いが、最近県外では放課後に訪れる中高生が増え、新たな相談できる場所になっているという▼お隣の宮古には5カ所、県内には約70カ所あり市町村が造り運営は直営かNPO法人などへ委託し、遊びの場を提供。地域住民が積極的に運営に関わり、体験型の活動を取り入れているところも▼ひと昔前は各家庭では3世代が住み、子どもたちは祖父母に見守られ近所の異年齢の子と遊んで育ったが、核家族化が進み放課後に独りぼっちになる子が増えた。また若い親たちの育児の悩みなど孤立した子育てを支援するのも児童館の役割に▼石垣はほとんどの家庭が共働き。子どもらにとって貴重な居場所となる児童館が最低でも中学校区に1カ所ずつあり、気軽に通え安心して豊かな幼少期が過ごせるよう地域全体で支えたい。(辻本順子)
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