島の未来を自衛隊に依存するか否かを選択する与那国町の住民投票はあす22日、町民の判断が示される。皆さんには目先のうまい話につられて後世に悔いを残す判断はぜひ避けていただきたい▼以前に町長や町民の創意工夫で移住者が増加し、統廃合寸前だった学校もよみがえった島根県の離島・海士町を紹介したが、奄美群島にも沖縄の米軍普天間飛行場移設を断固拒絶し、自立の道を歩んでいる島がある▼昨年暮れテレビで放送され「子宝空港」で一躍有名になった徳之島がそうだ。天城、徳之島、伊仙の3町とも出生率が10位以内に入り、伊仙町は全国平均の1・43に対し2・81と断トツの日本一だ▼そのため、かつて泉重千代翁ら2人の長寿世界一を輩出した同町は「長寿と子宝の町」を宣言。少子化対策のモデル地域にもなっている▼人口約7千人の伊仙町の子宝の要因は第1子5万円、第2子10万円、第3子以降15万円の支援金のほかに保育所の拡充や産科医の常駐、町営住宅の整備、企業誘致、そして地域住民がサポートして子どもを産みやすく、育てやすい環境整備に力を入れていることにある▼与那国と同様キビと長命草、馬鈴薯(バレイショ)、肉用牛を生産する農業と闘牛と観光の島は、さまざまな地域おこしを展開。近年はU・Iターンが増えてきたという。(上地義男)
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