島々で歌われている八重山民謡が今日のように多くの愛好者に恵まれるとは思わなかった▼昭和50年に始まった弊社主催の八重山古典民謡コンクールは、曲折もあったが平成26年で40回を数え受験者は国内のみならず海外からも。総数は5486人、うち2707人が合格している。その後第一人者として活躍後、鬼籍に入られた方も。その意味で40年は短いようで長い▼コンクールは新人賞、優秀賞、最優秀賞の3部門。途中から小中高生向きの奨励普及賞が設けられた。学校でも郷土文化に親しむ子どもたちが増えて郷土芸能部が発足し頭角を現す子が出てきた。15歳になれば大人と伍(ご)して受験でき、何年も失敗して足踏みしている大人を尻目にさっさと昇格していく生徒が現れた▼話題の合格者を追ってみる。まず1、2回。最優秀賞は各1人で故通事安京氏と故大底朝要氏、続く第3回は該当者なしと厳しかったのでコンクールは難関のレッテルが貼られた。女性の最優秀賞1号は第8回の宮良公子氏▼異国語のハンディを克服したロンドンのマッドギラン氏は目をつむって聞けば島人と変わらない歌唱だった。同じく方言に苦労した長野県の山極千香氏、今では、弟子から最優秀賞を出すまでになっている▼本日、40年の歩みを披露する東京公演が開催される。(仲間清隆)
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