スカイマークが石垣—那覇路線から撤退する3月29日以降、同路線の航空運賃が引き上げられるのではないかと懸念されているのを受け、石垣市議会(知念辰憲議長)は9日、臨時会を開き、同路線で県の離島割引制度の適用を求める意見書・要請決議と、現行の運賃制度の継続を日本トランスオーシャン航空(JTA)と全日本空輸(ANA)に求める要請決議を全会一致で可決した。10日、議員5人を派遣し、県と航空2社に直訴する。
県の離島割引制度の「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業」は、ス社の撤退する3月29日にソラシドエア(スカイネットアジア航空)が新規参入するため、石垣|那覇路線には引き続き適用されない見通し。
県交通政策課によると、ソラシドと既存2社の当日購入可能なチケットの運賃が違うため、同事業の条件の一つとなっている「運賃設定が競争状態にないこと」に該当しないという。
これに対し、決議を提案した砥板芳行氏は「4月以降の当日購入可能運賃はJTAとANAが2万5800円、ソラシドは2万1000円。事業が目的とする新幹線並みの運賃になっていない。これが競争状態にあるのか」と疑問視。
さらにソラシドがANAとのコードシェア便(共同運航便)として就航させることについて「ANAが2往復4便を減便してソラシドが2往復4便を運航する。ソラシドは、ANAが20%の株式を持ち、ANAのパートナー会社。これが新規参入と位置づけられるのか」と指摘した。
中山義隆市長も本会議終了後、「ソラシドが参入しても、価格競争が起こっているとは思えない。新幹線並みの運賃になるよう、離島住民負担軽減事業を適用すべきだ」と強調した。
一方、国交省が新規参入会社の育成を図る観点から、既存航空会社が新規の運賃より安く設定できない仕組みをつくっていることについて、議員から「国交省にも要請して考え方を聞くべきではないか(仲間均氏)」との声があり、砥板氏は「今回の要請をした後、対応を考えるべきだと思う」と述べた。