県八重山支庁に設置されている大気汚染物質自動測定機で、微小粒子状物質(PM2.5)の測定が始まってから2年。県環境保全課のホームページで、1時間ごとに速報値が更新されている▼中国の大気汚染が深刻化、最も大陸に近い八重山で観測が遅れたのが不満だった。それが改善され、スマートフォン用のPM2.5アプリが次々と登場し、スポーツ愛好者には不可欠なものとなった▼県は国の指針に基づき、早朝(5〜7時)または日中(5〜12時)の1時間平均値がそれぞれ85、80μg?/(マイクログラムバー立方㍍)を超えた場合、市町村を通して注意喚起する▼注意は▽不要不急の外出、屋外での激しい運動を減らす▽室内換気を必要最小限にする▽外出時にマスクを着用—などだが、これまで県内では発動された例はない。しかし、一時的に高濃度になることはある。数日前も煙霧のように視界が悪かった▼PM2.5の濃度が一時的に基準を上回っても、直ちに重大な影響はないと思うが、ぜんそくなどの疾患を持つ人や高齢者、子どもは気をつけなければならない▼夏は南風のため、八重山へのPM2.5汚染は低いが、北風が吹く冬場は深刻だ。中国の大気汚染問題が解消しない限り、八重山は被害を受け続ける。ぜひ政府の問題解決に向けた取り組みを望みたい。(黒島安隆)
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