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Channel: 八重山毎日新聞社
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昨年の牛セリは1頭当たりの子牛価格が過去…

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 昨年の牛セリは1頭当たりの子牛価格が過去最高の50万円台を記録するなど、八重山は全国でも有数の“肉用子牛生産地”として知られるが、しかしそこには約半世紀にわたる天敵のオウシマダニとの苦闘の歴史があった▼その撲滅の軌跡を竹富町長も務めた元八重山家畜保健衛生所長の那根元氏(74)が、共に撲滅に奮闘した元石垣市畜産課長の唐真正次氏(73)の監修で「八重山におけるオウシマダニの撲滅魂」として上梓した▼この吸血ダニは1931年に初めて確認されたが、古くから牧畜が盛んな八重山では「骨と皮の牛がダニの鎧(よろい)を着けている」と言われるほど猛威を振るい、甚大な被害を受けてきた▼しかしその駆除事業は困難を極め、琉球政府補助から48年目、国庫補助から28年目の99年にようやく撲滅は実現。これで内原英郎元市長や歴代家保所長の山城英文氏や那根氏ら国、県、3市町の行政関係者や農家の労は報われ、それが現在の八重山の畜産業発展につながった▼実はウリミバエ根絶に続くこの偉業に関しては、NHKの人気番組「プロジェクトX」に放映を打診し好感触も得ていたが、同番組が突然中止になり実現しなかった▼そういう意味で今回の那根氏の労作は、八重山の若い畜産農家ら応援の歴史書でもある。(上地義男)


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