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長さ24㍍、高さ約10㍍と判明 名蔵湾

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環境省の詳細計測で、長さ約24㍍、高さ約10㍍と判明したコモンシコロサンゴ群体(2013年12月7日、サーフダイブ・インストラクター濱岡鉄矢さん撮影)

 名蔵湾内に存在する巨大なコモンシコロサンゴ群体について環境省那覇自然環境事務所石垣自然保護官事務所は21日、昨年末にかけて行った詳細計測の結果を発表した。楕円(だえん)の形状で長いところは約24㍍、短いところで約17㍍、高さは約10㍍、外周は約70㍍となり、巨大な同サンゴの実態が正確な数字で裏付けられた。同事務所によると、計測された同種のサンゴでは国内最大級。周辺海域でも良好なサンゴ群集の分布が確認された。

 コモンシコロサンゴを含む名蔵湾のサンゴ群落について同事務所の若松徹上席自然保護官は「今回の調査結果ではまだ何とも言えないが、名蔵湾全体のサンゴ礁がどうなっているか、利用状況も含めて調べた上で、保全策について地元と連携して考えていくというスタート地点に立てたのではないか」との認識を示した。

 コモンシコロサンゴが生息する海域は名蔵大橋から西側に約4㌔の海域。調査は昨年7月末から12月26日にかけ、同地点から南北0・8㌔、東西1㌔の範囲で行われ、同サンゴが7・2㍍から13㍍の緩やかな斜面に生息していることを確認。調査結果から立体画像も作成した。

 調査範囲内では、ミドリイシやハマサンゴなどサンゴ類の多様性が高く、良好な群集が分布。一辺50㍍範囲にどれくらいのサンゴがあるか割合を示す被度は、高いところで50~90%もあり、石西礁湖の良好な海域に匹敵するほどだったという。サンゴの多様性の高さについて同事務所では、沈水カルストという複雑な地形も関係している可能性があるとしている。

 名蔵湾は、復帰後の農地造成やダム建設などで水質が悪化し、大部分のサンゴが影響を受けていたとみられていたが、八重山ダイビング協会が石垣市の委託を受けて2012年度に実施したオニヒトデ駆除事業でサンゴが回復していることを確認、巨大なコモンシコロサンゴも見つかった。

 八重山ダイビング協会(安谷屋正和会長)の佐伯信雄環境対策委員長は「名蔵湾のコモンシコロサンゴなどは貴重な資源。観光にもプラスになる。環境省の計測結果を添付してギネス登録を申請したい」と話した。


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