石垣市消防本部がまとめた2014年の救急出動件数は2310件(前年比22件増)で、特に脳疾患による搬送が206人に上り、前年より31人多かった。実際に病院へ搬送した患者数は1967人(同19人減)。緊急性を要しないなどの理由で搬送されなかった「不搬送」は343人で前年より41人増えた。
市消防では「要請があれば搬送することが基本」と前置きした上で、「身近に起こり得るけがや病気の知識があると自己判断力が高まり、出動件数の減少につながる」として、市民に救命講習会の受講を勧めている。
全搬送者のうち65歳以上の高齢者の搬送は前年より36人多い1038人で、全体の52.3%を占めた。
市消防では「(要請件数増には)高齢化社会や人口増はもとより、世帯数の増加の影響もある」とみている。中には高齢者夫婦世帯で「自分で何とかしたいが、連れて行けない」とやむなく救急搬送を要請するケースもあったという。
搬送人員のうち、急病が1214人(同3人増)、外傷などの一般負傷が286人(同3人減)、交通事故が121人(同13人減)などとなっている。
急病の主なものは脳疾患が206人(同31人増)、心疾患などが92人(同23人減)、消化器系が182人(同11人増)、呼吸器系が191人(同1人増)。
搬送先は八重山病院が1583人で前年より128人減少。石垣島徳洲会病院が298人(同68人増)、下地脳神経外科が27人(同20人増)、下地第2脳神経外科が13人(同10人増)だった。
市消防では救命入門、普通救命、傷病者が小児だった場合の講習会のうち、毎月いずれかを開いている。詳しくは同本部(82—0119)。