■選挙イヤー
今日で、2014年が終わる。今年を振り返ってみると、3月の石垣市長選、9月の3市町議選、11月の知事選、12月の衆院選と四つの選挙が執行された「選挙イヤー」だった。
4年前と立場を変えて同じ対決となった市長選では現職の中山義隆市長が大濵長照前市長に圧勝。2期目で保守市政を盤石のものとした。
普天間基地の辺野古移設の是非を争点とした県内最大の政治決戦、県知事選は、保革相乗りの「オール沖縄」として「移設反対」を訴えた翁長雄志前那覇市長が移設容認の現職・仲井真弘多知事に約10万の大差で圧勝。12月の衆院選でも、国の圧力に屈し、選挙公約を破った自民公認候補4人が選挙区でそろって落選。県民が「辺野古移設反対」の民意を突きつけた。
一方、八重山では、両選挙でも保守が圧勝。基地問題に対する有権者の温度差と右傾化を顕著にした。
■好調に推移した経済
経済は総じて好調だったように感じる。観光は南ぬ島石垣空港の開港効果が持続。入域観光客数は、11月で年間目標の105万人を突破。最終的には112~3万人の過去最高に達する勢いだ。来年3月29日には、ソラシドエア(スカイネットアジア航空㈱、高橋洋代表取締役社長)=本社・宮崎市=の那覇-石垣線を開設する。好調が続く八重山観光の新たな起爆剤として期待される。
その半面、初めて石垣-台北路線で冬季運航に踏み切った中華航空がわずか1カ月余で運航を打ち切るなど、新年度に「冬場の観光」へのてこ入れが課題として残った。
10月は沖縄ファミリーマートが4店同時オープン。来年2月までに合計10店舗の出店が計画され、既存のココストアとの間でコンビニ競争が激化しそうだ。
肉用牛は子牛の年間の平均価格が八重山、黒島両セリ市場とも50万円を超え、過去最高価格で推移。全国的な素牛不足に加え、枝肉市場の価格が高騰しており、来年は今年を上回る価格が期待できそうだ。
■次代につなげる年に
今年は沖縄戦の終結から70年の節目を迎える。戦争体験者の高齢化が進み、悲惨な戦争の真実を後世に伝える人が年々減り続けている。戦後世代が主流となり、戦争の歴史の風化が懸念される中、次の世代に正しく伝えていく努力が求められる。
その一方で、与那国島で陸上自衛隊沿岸監視部隊の15年度配備に向けた施設整備工事が着々と進められている。石垣島への部隊配備計画も取り沙汰されており、注意が必要だ。
波照間島では、来年下半期に、7年ぶりの航空路線再開が予定され、第一航空が19人乗りの機材で運航する。冬場を中心に海路の欠航が多い同島にとっては、観光面とともに日々の生活路線として再開が待ち望まれる。
「現地か」「高台か」で論議が沸騰する石垣市役所新庁舎建設場所も、3月には同策定委員会が建設位置を盛り込んだ基本計画案を答申する。
戦後70年を機に、八重山の将来像を考える年としたい。