屋良部半島の市有地に石垣市の要望を受けて県が不発弾保管庫を整備する計画をめぐり、崎枝公民館(新里武夫館長)は24日、信頼関係を取り戻すため事業をいったん白紙に戻して十分な説明をするよう要望、役員会でまとめた質問書を市に提出した。整備事業は設計業務の入札を終えるなどすでに動きだしており、市と県は難しい対応を迫られそうだ。
新里館長ら役員2人が同日午前、市役所総務部を訪れ、「事業が先行すると住民の反発や不満を買う」として質問書を上地啓一総務部長に提出、上地部長は「なるべく早く回答したい」と応じた。新里館長は取材に「まずは事業をストップし、話し合いの段階に戻すべきだ」と話した。
質問書は「寝耳に水の事態に崎枝住民は大変驚き、大きな不安を感じている」として、白紙に戻して説明し、信頼関係を築くよう要望。事業の重要性や安全性、崎枝地区の振興策などを踏まえた上で、建設の是非を考えるべきだと主張している。
質問書には▽一部住民にはあいまいな形で打診があったが、その前になぜ情報の開示、住民説明会の開催などの手続きをとらなかったか▽なぜ崎枝を選んだのか▽住民不安、風評被害などのデメリットにどう対応するか▽万一、事故が起きた場合の補償はどう考えるか|などの質問が列挙されている。
同地での建設計画について市は一部の役員に説明。17日夜の住民説明会で県は「これで大丈夫だろうという見通しがあった。事前に説明会を開催しなかったことはおわびしたい」、市も「説明が足りずおわびしたい」と陳謝する一方、「事業は進めないといけない」として保管庫の安全対策や警備体制などを説明、理解を求めていた。
公民館は今回の回答を受けた後、役員会や臨時総会にかけ、対応を協議することにしている。