文字の書けない障がい者の投票機会拡大に向けて、石垣市障がい者自立支援協議会(小倉隆一会長・委員15人)は19日、来年3月にも意見を集約して市選挙管理委員会に申し入れを行う方針を確認した。石垣市では点字投票や代理投票は実施しているが、文字を書けない知的障がい者の投票に課題があり、同日午後、市健康福祉センターで開かれた第2回協議会で委員が投票方法などについて意見を交わした。
市障がい福祉課によると、福井県などでは文字を書けない知的障がい者が投票する際、候補者の写真を指さしで確認する形式の代理投票を受け付けているという。
この日の協議では、知的障がい者に付き添って投票所へ行ったことのある八重山地区手をつなぐ育成会代表の仲松芳子氏が「本人(知的障がい者)が選挙を意識していない状況で票を入れるのはどうかという考えで、白紙を投じている」と現状を説明。
県相談支援体制整備事業アドバイザーの津嘉山航氏は「障がいのある人にも分かるように候補者側が丁寧な説明をする必要もある。車イスで入れない投票所もあり、スペースや場所の工夫も必要だ」と要望した。
障害児通所支援事業所代表の矢崎真一氏は「文字を読めない人たちへの配慮も必要」と話し、津嘉山氏も「写真を掲示するのかということも含めて、どこまで明文化するか検討する必要がある」と述べた。
小倉会長は「やるべき事やできる事を少しずつ投げかけ、選管とキャッチボールしていけばいいのではないか」と話し、来年3月の同協議会で意見を集約し、市選管に申し入れを行う方針を確認した。