衆院選後に恐れていたことが次々再加速を始めた。今年の流行語大賞で「集団的自衛権」「ダメヨ～ ダメダメ」と揶揄（やゆ）されながらも、不意打ちの大義なき選挙圧勝を受け、安倍首相が集団的自衛権の行使容認と原発の再稼働に動きだしたのだ▼いわばみんながアベノミクス、アベノミクスと声高に叫ぶ首相の経済政策に幻惑されている間に、この国は確実に危うい方向に進んでいる▼原発もこの経済優先で、福島事故の反省もないまま年明けには鹿児島の川内原発、福井の高浜原発が先陣を切って次々再稼働▼集団的自衛権も年明け国会で法整備が進み、これからの日本は現在の専守防衛から他国の戦争にも参戦。今まで戦場と無縁だった自衛隊員らが銃弾飛び交う戦地に送られる国になる。果たしてそれを善しとしていいものか▼１６日、パキスタンで学校が襲われ、１４０人余の生徒たちが惨殺されたように外国では殺し、殺される憎しみの連鎖で人間を狂気にするテロや戦争が後を絶たない。日本も今、その危機にある▼４区で当選の仲里利信氏（７７）は、自らの戦争体験から保守系ながら「戦争につながるものを子や孫に残してはならない」と先島への自衛隊配備にも否定的だ。近年八重山も保守化、右傾化が顕著だが、左右はバランスあるほうがよい。 （上地義男）
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