来年2月23日告示、同3月2日投開票の石垣市長選は、与野党双方とも異例の年末の出馬表明となる見通しだ。自民党石垣市支部(支部長・砂川利勝県議)は22日の常任総務会で、候補者選考委員会(16人)が答申した現職の中山義隆氏(46)を推薦候補者として正式決定するかどうか協議したが、結論を先送りした。前市長で国頭村立東部へき地診療所医師の大浜長照氏(66)を擁立する野党側も25日以降の出馬会見に向けて準備を進めている。両陣営とも30日までには正式に出馬を発表したい考え。過去の市長選で、告示まで2カ月を切る年末になって予定候補者が出そろうのは例がないとみられる。
自民支部は22日、県議の事務所で、県議と市議で構成する常任総務会を開いた。県連から照屋守之幹事長が加わった。砂川支部長によると、市長選に名乗りを上げている市議会議長の伊良皆高信氏(53)が後援会と相談して結論を出したいと申し入れたことから、正式決定を見送った。
伊良皆氏と一部市議には、選考委員会が1回の会合で短時間に決めた選考過程に不満があるとみられる。
砂川支部長は終了後、報道陣の取材に「年内には一本化したい。保守市政を継続するという信念を全員で確認しており、決して分裂はしない。全員で戦う」と強調した。この日の会合で支部と候補者間で政策協定を結ぶことも確認した。
砂川支部長によると、年内に正式決定した後、後援会など具体的な組織づくりは年明けになるという。
一方、市政奪還を目指す野党側は、笑顔かがやく石垣市民の会(会長・高嶺善伸県議)が25日、前市長の大浜の擁立を決定し、後援会組織を設立する予定。大浜氏本人が出馬会見を行う場合、勤務日程の都合から25日以降になる見込み。
来春市長選では、与党側が現職と一部議員との摩擦を解消するのに時間を要し、野党側は人選作業が難航した。
両陣営の関係者は「年内に発表しないと年明けから動けない」と話しており、今後は後援会組織など具体的な選挙態勢を急ピッチで構築していくことになりそうだ。