公明党県本部の政治理念と政治信条がよく分からない。辺野古移設に反対しながら知事選は自主投票、そして今回の衆院選は、国政での連立重視で「選挙区は自民、比例は公明」と前回選挙の公約を破棄して辺野古移設容認に転じた自民候補を推薦したからだ▼以前にも指摘したが、公明党は国政も県政も与党でありながら、昨年12月には知事に県外を提言するなど、毅然(きぜん)と辺野古移設に反対する県本部の対応を、県紙は2紙とも「敬服に値する。ぶれない姿勢貫こう」などと社説でたたえた▼特に金城勉幹事長は、自民議員らの公約破棄に「政治家としての核心部分を失った。何を言っても有権者の信用は得られないだろう」と国の圧力に強く反発、「そうさせた自民中央に、県民をなめやがってと言いたい」などとウチナンチュの思いを代弁する発言は多くの県民を感動させた▼それがその主張を180度覆す今回の衆院選の対応。これでは自民議員の公約撤回と同じだ▼「人権、平和、福祉」を理念に掲げる公明党への期待は大きい。それが連立重視、選挙重視で今回のようなことが続けば、「下駄の雪」で弱小政党に転落したかつての野党第1党の二の舞いも全く否定はできない▼平和が脅かされ格差社会が拡大する今、公明党の理念が問われている。(上地義男)
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