石垣島産の牛革を利用したランドセルがこのほど完成し、2日午前、石垣市商工会でお披露目された。ランドセルは牛種子牧場など3業者が提供した原皮を使って県外の業者が製品化。県産の牛革を使ったランドセルの製作は県内初。来年3月末までに200個の納品を予定しており、販売元の石垣レザーの浜元さおり代表は「地場産業を生かした商品で、ぜひ地元の子どもたちに使っていただきたい」と呼びかけている。
製品化に向けて中心となってきた石垣皮革組合の石垣憲良筆頭理事(牛種子牧場代表取締役)によると、市内の畜産業者の間で7、8年前から石垣島産の牛革を利用した製品づくりができないかという話があり、4年前から本格的に始動。
八重山食肉センターでと畜した牛種子牧場、㈲ゆいまーる牧場、美崎畜産の牛の原皮を兵庫県姫路市の業者でなめして染色し、名古屋の工場で製品化までを行った。
ランドセルは防水加工がしてあり、1㌔と比較的軽量。地元産を象徴するため五四(いつよ)の型押しも取り入れている。
石垣島での販売を先行するが、島外からの購入も受け付けている。浜元代表は「本島や本土の郷友会などへの販売計画も視野に入れている」と話している。
石垣筆頭理事は「3年近くかけて育てる牛。今後は肉だけでなく皮も有効に使っていきたい。財布や名刺入れ、野球のグローブなどにも活用できれば」と期待。ランドセルを取り扱っているタウンパルやまだの山田克巳店長は「こういう形で地場産業の継続を応援できてうれしい。現物も展示しているので、ぜひ手に取って検討していただければと思う」と呼びかけている。
ランドセルは石垣レザーでも販売している。定価は5万5080円(税込み)。問い合わせは石垣レザー(87-5186)。