石垣島に大学や専門学校などを誘致できるかどうか可能性を探るアンケートで、回答した市民の約8割が誘致に賛成していることが分かった。経済活性化や若年人口の増加、雇用創出などを理由として挙げている。一方、高校生は、潜在的な希望者を含め27.9%が入学を希望した。20日に開いた第2回検討委員会(委員長・下地芳郎琉球大学観光産業科学部教授兼学長補佐、委員13人)でアンケート結果を説明した。 市民向けのアンケートは、地元出身・在住の1600人、Iターン200人、Uターン200人の計2000人を無作為に抽出。用紙を郵送した。地元は20~50代までを年代、男女を均等に分けた。回収できた424人(回収率21.2%)の結果が20日、公表された。
このほかに八重山高校1、2年の240人、八重山農林高校1、3年の130人、八重山商工高校1、2年の150人の計520人のうち477人(回収率91.7%)が回答した。
市民を対象にしたアンケートによると、高等教育機関の誘致に関して約8割の332人が賛成。経済活性化や若年層の人口増加、市民の雇用創出につながることなどを理由として挙げた。
高等教育機関などへの進学意識については、卒業後に「市内で進学したい」と答えた高校生は「どこでも良い」などと回答した潜在的な入学希望者も含めて27.9%だった。
一方、子や孫など家族を「市内で進学させたい」と答えた市民は55.3%と、半数を超えた。
この結果を受け、平田睦委員は「島外進学希望がもっと多いと思っていたので、27.9%という数字は高い方だと思った。保護者としては経済状況も厳しく、景気もあまり良くないので妥当かと思う」と印象を話した。
誘致を望む人の中には「島で安く学べれば、農業や畜産など専門的な知識がつき、島の生産力や活性化につながる」(高校生)、「島外へ進学させる親の負担が軽減し、進学の選択肢が増えるのでとても良いことだ」(市民)などの声があった。
一方、「大学まで地元だと新鮮味がない。成功した例がないならやめた方が良い」(高校生)、「少子化の現在、特色ある就職に有利な機関でないと存続は難しい。学力をある程度底上げすることが先」(市民)など、誘致に否定的な意見もあった。
アンケートは石垣市教育委員会が行っている高等教育機関等誘致可能性調査事業の中で実施されたもので、20日の検討委員会では、アンケート結果に基づき、高等教育機関導入の方向性や、設置や運営主体案などについても協議した。
今後は、本土の大学や専門学校などに立地を検討するためのアンケートを実施し、来年1月20日に計画している第3回会議でその結果を見ながら具体的にどの分野を誘致すれば実現性があるかどうか検討する。