今年から来年にかけて収穫する郡内5工場のサトウキビの生産見込み量が出そろった。総生産量は9万7260㌧を見込み、前期実績を1866㌧上回る予想だ。ただ、前期も台風や干ばつ被害で生産量が低迷した年だけに、糖業関係者は手放しでは喜べない数字だろう▼今年の収穫面積は1804㌶と前期比9㌶増。台風被害もほとんどなく、豊作型が期待されたが、8月から続く少雨傾向の影響でキビの茎長が短く、10㌃当たりの収量(単収)が約5・4㌧と低く予想されている▼特に干ばつの影響が顕著な波照間では、立ち枯れも発生。単収は4㌧ギリギリと近年にない厳しい状況のようだ▼この中、石垣島製糖、波照間製糖、JA与那国工場の3工場が年内操業に踏み切る。キビは地域経済への波及効果が高い作物と言われているだけに、年内操業は農家のみならず、他産業からも歓迎されよう▼石糖の加納成浩社長は、25日の原料委員会のあいさつで、年内操業に踏み切る理由を①農家の要望が強い②収穫後の春植え、株出しの適期作業実施による増産|などを挙げた▼甘しゃ糖度面で若干不安はあるが、これがクリアできれば年内操業のメリットは大。干ばつで単収が低下した分、甘しゃ糖度が上昇し、農家手取りの目減りがないことを期待したい。(下野宏一)
↧