八重山研究や芸術文化の振興に顕著な業績を挙げた人々に贈られる第30回八重山毎日文化賞(八重山毎日新聞社主催)の贈呈式と祝賀会が22日、石垣市内のホテルで開かれ、大勢の市民が3氏の受賞を祝った。
今回は八重山古典民謡の普及発展に尽力してきた南風野喜作氏(83)=石垣市川平=と、小浜島の歴史や芸能文化の研究を続け、文化活動の中心的役割を担ってきた黒島精耕氏(77)=石垣市新栄町=に正賞、長年竹富町の織り手を育成し、工芸としての織物をこなしている内盛スミ氏(88)=竹富=に特別賞を贈った。
贈呈式で黒島安隆社長は3氏の功績を紹介し、「3人の受賞が今年の最後を締めくくる明るい話題となることを願う。今後ますますの活躍を期待している」とあいさつ。仲井真弘多県知事(呉屋幸一県八重山事務所長代読)や、八重山広域市町村圏事務組合理事長の中山義隆市長が祝辞を述べた。
正賞の南風野さんは「身に余る光栄。川平で生まれ育ち、八重山古典民謡に出合ったおかげで受賞できたと思う。今後も八重山古典民謡が多くの方に歌われ、愛されることを期待している」と受賞を喜んだ。
同じく正賞の黒島さんは「25歳のころからライフワークとして始めたダートゥーダーの研究は山あり谷ありで振り返れば50年がたっていた。素晴らしいメダルを頂き、大変感激している」と述べ、「でんさ節」に思いを乗せて喜びを表現した。
自身で仕立てた着物で出席した内盛さんは竹富島の方言で「『命どぅ宝』という言葉があるが、今日の日を迎え、大勢の方々とお祝いでき、これ以上の果報はない」と語った。
式後に行われた祝賀会は八重山古典民謡保存会川平研究所と川平公民館による「川平鶴亀節」で幕開け。竹富公民館が「布織り女」、小浜中学校の生徒が「ダートゥーダー」を披露、来場者から盛んな拍手が送られた。