少雨傾向による水事情の悪化で20日から始まる夜間断水を前に、深夜まで営業する居酒屋などの飲食店に不安が広がっている。深夜から未明の時間帯をメーンに飲食店が密集する美崎町では「かき入れどきの忘年会シーズンと、夜間断水が重なって死活問題。営業時間の短縮も検討せざるを得ず、大きな損害になる」との声が出るなど、経済活動への打撃が懸念されている。
夜間断水は午後11時から翌午前6時までの7時間だが、深夜まで営業する店舗では調理場、トイレなどに水道水を使用できないため、料理の提供や衛生管理に影響が出る見通し。
美崎町の居酒屋に勤務する男性(40)は「夜間断水になると、店じまいの片付けもあるので通常のラストオーダーの時間が縮まる。大きな損害だ」といら立ちを隠せない様子。
夜間断水の報道を受け、貯水タンクを点検し、バケツを購入したという居酒屋店長の男性(42)は「正直、断水してみないと店の状況がどうなるか見当がつかない。営業時間の変更と貯水タンクの増設を検討している」と不安げだ。
冬場の八重山観光は例年通り多くの団体客が来島する。観光業界によると稼働率は好調。大型ホテルなどでは、地下水や貯水タンクで水の確保は可能だが「宿泊客にも断水、節水への協力をお願いすることになるだろう」という。
一方、水道水で大浴場の水を確保している中型ホテルでは「断水が続けば、大浴場の入浴時間を制限しないといけない。(断水の)見通しがつかないので非常に不安」と切実に語る。
市水道部は「現在、夜間断水の解除は見通しがたたず天候次第。市民の皆さまに協力をお願いするしかない」と話している。