【那覇】那覇市の不動産業㈱アールジェイエステート(一丸秀信会長)が7日午後、県庁記者クラブで会見し、2016年夏の開業に向けて、竹富島のコンドイの宿跡地にコテージ型宿泊室を備えた「コンドイビーチホテル(仮称)」を建設する計画を発表した。同社はすでに2回、地元での住民説明会を開いており、一丸会長は「特に反対するという意見は出なかった」と説明した。一丸会長は10日、竹富町役場に川満栄長町長を訪ね、事業計画について報告する。
ホテルは、約6385坪の敷地面積に竹富島の伝統集落に準じた赤瓦木造平屋のコテージ型宿泊室24室と連棟式宿泊室5棟23室を建設する。同社は種子取祭が終了した12月に竹富島の3地区の住民を対象に、3回目の説明会を開催する。
同社は2010年に土地を購入。現在、竹富町教育委員会が埋蔵文化財の調査をしている。建設工事は15年6月ごろに着手する予定で、総事業費は20億円前後を見込む。地元住民を中心に約50人の雇用を予定している。
付帯設備としてプール、約500人収容の芝生広場、遊具、団体客のための食事を兼ねた休憩施設、竹富島の民芸品などを販売する展示場を完備。また、近年、置引被害が懸念されるコンドイビーチを安全に利用できるように更衣室やロッカー室も設ける。
宿泊料金は部屋タイプとシーズンによって違いがあるが、基本的に1室2人で一泊3万から7万円。一室7人まで宿泊可能。同社は既存の民宿料金との差別化を考慮し、ホテルと民宿双方を利用して長期滞在を可能にするような旅行商品の企画も計画している。
一丸会長は「竹富島の良さをもっと知っていただきたい。島の方々と一緒になって良い所を残し、新しいものを取り入れる。また竹富島に来ようねといわれるようなホテルを目指したい」と述べ、地元と協力したホテル建設を強調した。
同社は新石垣空港の開港に伴い、竹富島の13年観光客が45万7000人と前年比で15.7%の増加と説明。宿泊施設が少ないことから、日帰り観光が多いと指摘し、家族連れなどが連泊できるようなホテルの建設を目指す。ホテル業への参入は初めてで、建設後は別途会社を設立し、運営に当たる。同社は大分県で1万坪の敷地で宅地分譲も手がけている。