少雨傾向が続き、一部地域で夜間断水を実施している竹富町(川満栄長町長)は西表島浦内川からの取水に向け、年内にもマリウドの滝つぼから上原地区の配水池まで総延長約15・2㌔の仮設の取水パイプを整備する。 総事業費は2億5200万円で、7日午後の臨時議会で可決された。工期は45日を予定しており、1日当たり750~1037㌧の取水量を見込んでいる。年内の取水開始を目指す。
町水道課(宮良用和課長)によると、工事は約90日かかる見込みだが、取水側と配水側の両方から工事を進めることで、45日ほどの工期に短縮できるという。
西表島浦内川(2級河川)の上流は国立公園特別地域に指定されており、取水パイプの設置には自然公園法をはじめ、河川法や森林法などの規制が複雑化していることが予想されている。
町では、取水パイプの設置に向けて5日に県や国の出先機関に要請しており、宮良課長は「自然環境に負荷がかからないように配慮し、調査設計を進めながら並行して国・県の許認可手続きを進め、許認可を得てから工事に着手したい」と述べた。
同課では仮設のパイプを設置後、渇水が解消されれば陸上部のパイプは撤去、河川部については国・県と協議していくという。設置中にまとまった雨が降った際の対応について宮良課長は「(工事中断を)上司と相談したい」としている。
石垣市から給水を受けている竹富島と海水を淡水化している波照間島を除く町内各地域では、西表島の河川に堰(せき)を設けて取水した水を海底送水で給水している。
少雨傾向で町は8月上旬から9月上旬にかけて節水を呼びかけたあと、10月上旬から節水呼びかけを再開。10月30日から竹富島と波照間島を除く地域で夜間断水を行い、5日から一部地域で一時的に解除している。