石垣市は19日、石垣港の港湾計画を正式に改訂したと発表した。おおむね10—15年先を見越した計画で▽観光リゾート拠点の形成▽領土領海の保全・広大な海域の安全—を図る拠点と位置づけている。開発の中心となる新港地区では、14万㌧級の客船に対応できる旅客船埠頭(ふとう)、新たに橋をかける臨港道路を盛り込んでいる。改訂計画は18日に公示され、発効した。
現在は既定計画に基づき整備が進められており、港湾課は人工海浜と、水深9㍍、340㍍岸壁の旅客線埠頭の整備を促進したい考え。人工ビーチは2014年度で300㍍を整備し、同年度後半の一部供用開始を目指す。
整備中の旅客船埠頭に新たに計画される埠頭は水深12㍍の岸壁で延長410㍍。これらの埠頭が整備されれば14万㌧級、9万㌧級のクルーズ船が同時に接岸できるようになる。14万㌧級は、これまで国内に寄港した客船の最大規模。
新たなアクセス路は竹富町役場前と新港地区をつなぐ。橋約300㍍、道路は600㍍を予定、2車線で歩道も予定。橋を2本にすることで、新港地区へのアクセスの向上や防災機能の強化を図る。大規模地震対策として耐震強化岸壁(水深12㍍、岸壁240㍍)も明記した。
新港地区ではこのほか海上保安庁や水産庁の公船用の岸壁、小型船だまり用の物揚場を整備し、それぞれ1カ所に集約する。
計画事業の概算費用は約605億円。
中山義隆市長は「国際観光都市、物流、領土・領海の保全の拠点としてしてしっかり生かしていきたい」と語った。