文化の秋にふさわしく八重山出身の6人の先輩たちが、それぞれの道で国や県の発展に尽力し、叙勲受章や功労者表彰に輝いた▼各分野で日々の努力を重ね、長年にわたる功績が高く評価された。先輩たちに共通するのは、自らを育んだふるさとへの感謝と誇りだと思う。それが各分野で築き上げた功績の原動力となったのではないか▼石垣市出身で那覇市に住む鳩間用吉氏(76)は教育功労で瑞宝双光章を受章する。明石小の校長時代、わずか42人の小さな学校から大きな人材を育成する目標を掲げ、自転車クラブを結成させた▼同クラブは県大会で常勝校となり、全国大会に出場して2010年と今年、日本一に輝くなど交通安全教育の土台を築いた。一方、空手の世界チャンピオンやオリンピック選手、芸能、音楽など一流の人材を学校に招き、本物に触れることで子どもたちに将来の大きな夢を持たせる教育にも力を注いだ▼現在、県内外で三線奏者として活躍する宜保和也さんはその一人だ。教え子たちは「私たちは鳩間先生から叱られた記憶がない。とにかく先生は子どもを褒めたり励ましたりするのがとても上手だった」と恩師に感謝する▼夢を持ち、常に切磋琢磨(せっさたくま)して自分自身を磨いてゆく。受章者に歴史あり、先輩たちの人生から学ぶものは多い。(鬚川修)
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