セクハラ、パワハラは知っていたが「マタハラ」が働く女性を悩ます3大ハラスメントの一つとは意外だった▼妊娠や出産を理由に退職を迫ったり、心ない言葉を浴びせる「マタニティーハラスメント」。昨年、連合が行った調査では在職中の4人に1人が経験したと回答。別の調査ではセクハラ被害の17%を大きく上回っているという▼先月、妊娠後に降格された女性が賠償などを求めた訴訟で最高裁が違法とする初の判断を示した。働く女性たちにとっては光明と言える▼だがマタハラという言葉がなかったころからいろんな実態はあったように思う。3人目を妊娠した友人が「えっ、また産休?」と言われたと聞き暗い気持ちになったのを思い出す▼働きながら子育てをしたいと望む女性は8割以上だという。安心して子どもを産み育てて元の職場へ戻ることができるのが理想だが、働く女性の2人に1人が出産を機に退職している現実も。内閣府の調査では「夫は外で働き妻は家庭を守るべきだ」との考え方に反対が49%と前回より増えている▼石垣市は「生りどぅ宝、ふぁーまー元気、結で子育て」を理念に子育て支援新制度を充実するという。待機児童解消や管理職登用も必要だが、妊娠した女性をいたわる当たり前のことを地域全体で共有していかなければと思う。(辻本順子)
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