海上保安庁が石垣海上保安部に配属した千トン級の新造巡視船「たけとみ」、「なぐら」(乗組員84人)の就役披露式が25日午後、市内ホテルで行われた。海上保安庁の佐藤雄二長官は、2012年9月の尖閣三島を取得後、相次ぐ中国公船の領海侵入で緊迫した状況が続いていることを強調し「最新鋭の巡視船配備で領海警備を海上保安庁一丸となって業務に励みたい」とあいさつした。
同庁によると、体制強化で同海保には本年度中に千トン級の巡視船を新たに2隻、来年度中に6隻を順次追加配属。乗組員の海上保安官は合計で420人増員する。海保創設66年の歴史で初めての大幅な増強となる。
石垣海上保安部の赤津洋一部長は「尖閣諸島周辺海域を常態的に徘徊(はいかい)する中国公船に対応するため精鋭の乗組員が一丸となり、新鋭船の機能を発揮してわが国の領土・領海を確保することを確信できる」と話した。
両巡視船の船長は3人が交代で務めることになっており、そのうちの1人、廣嶋彰船長は「最新鋭の尖閣専従巡視船の乗組員として最新・高度な機能をフル活用し、乗組員一丸となって全身全霊で任務を遂行したい」と決意を述べた。
来賓の中山義隆石垣市長は「尖閣諸島はわが国固有の領土で石垣市の行政区域。新巡視船の配属は、漁業従事者や市民の安心につながる」とあいさつした。
終了後には、来賓者を対象に船内見学会を行った。