米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対しながら公明党県本部は、辺野古反対候補がいるのになぜか県知事選で「自主投票」、同日選の那覇市長選は自民候補を推薦するという連立重視の判断をした▼国でも県でも与党でありながら、毅然(きぜん)と辺野古移設に反対を主張した金城勉幹事長ら県本部の一連の対応に感動し拍手した県民は多いと思う。そのぶん今回の決定にがっかりした人も多いだろう▼それは辺野古推進の候補にも票が割れるどっちつかずの対応が、県民の民意に沿ったものとは全く思えないからだ▼集団的自衛権など自民に次々譲歩する公明党には、踏まれても蹴られてもどこまでもついて行きます「下駄の雪」論があった。これは連立与党のうまみや権力にしがみつく政党を皮肉った政治用語だ▼そこには連立を優先するあまり自衛隊を違憲とする党是の安保政策などを転換し、結果として野党第一党から弱小政党に転落した社会党の例などがある▼来月結党50周年を迎える「平和の党」の公明も今、かつての社会党の「下駄の雪」の岐路にあるし、沖縄は基地問題が切実だ。自民も恐れる“集票力”を武器に、一強支配で軍備拡張を強める安倍政権の暴走を止め、沖縄の基地建設もこれ以上許すべきでない。「平和の党」の本領をみせてもらいたい。(上地義男)
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