なだらかな亀甲を頂点とし、左右へ緩やかに流れる形態が類例をみないとされる長田家の古墓=石垣市石垣=が24日、石垣市指定文化財(建造物)に指定された。
古墓は幅約17㍍、縦7㍍。現在、亀甲はモルタルで補修されているが、元はしっくいによるものと推察される。墓室は上方から長方形状に掘り込んで造られており、入り口部分で細くなっている。
墓内には20基の蔵骨器(ズシガメ)が安置されており、銘書が確認できた8基の中で最も古い年代を示すものは1668(康煕7)年、最も新しい年代は1835(道光15)年と推測される。
古墓は、亀甲墓によく見られる墓前面部に配される臼や袖石などがなく、形態がシンプルなことなどから、亀甲墓の成り立ちを理解するのに重要とされている。
石垣市文化財審議会の石垣博孝委員長は24日午前、市指定の文化財に指定するよう市教育委員会に答申し、同日午後の定例会で承認された。
石垣委員長は「石垣市の一つの財産として指定し、保存と継承をしていきたいという思いがあった。答申できることをうれしく思う」と述べた。