第2次安倍改造内閣が揺れている。政治資金の不透明な記載と選挙区での資料配布が問題となり、小渕優子経済産業相(40)と松島みどり法相(58)が同時に辞任。改造内閣は、9月3日の発足以来の「逆風」に直面している▼安倍首相は「元気で豊かな地方の創生」を掲げた第2次改造内閣を「実行実現内閣」と名付けた。成長戦略の柱に据える女性の活躍推進を打ち出し5人の女性閣僚を積極的に起用した▼目玉人事だった小渕、松島両氏の引責辞任。小渕氏に至っては2度目の入閣であり閣内最年少。元首相の娘で将来の首相候補に名前が挙げられ、初の女性経産相としての手腕発揮が注目された▼「政治とカネ」をめぐり、閣僚が辞任に追い込まれるケースは今に始まったことではない。2006年の第1次安倍内閣では久間章生防衛大臣の「原爆投下はしょうがない」など閣僚の失言、不祥事が相次ぎ4人が辞任。安倍首相はわずか1年で辞任表明している▼過去の教訓と、自ら実行実現内閣と命名しただけあって後任人事を急ぐなど今回の危機への対応は早かった。しかし、内閣支持率は48・1%(共同通信調査)となり、9月の前回調査に比べて6・8ポイントも下落している▼国民はついてきているのか。一直線ではなく安倍首相はいま一度、周りを見渡してほしい。(鬚川修)
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