Quantcast
Channel: 八重山毎日新聞社
Viewing all articles
Browse latest Browse all 16824

お父さん「帰ってきて」 行方不明男性1カ月

$
0
0

行方不明6日前に恵子さんが携帯で撮影した宜豊さんの画像=17日夜、市内新川の新垣さん宅

 先月16日、プレジャーボート「琉宜丸」(0.9㌧)で釣りに出かけたまま行方不明になっている石垣市新川の会社員、新垣宜豊さん(57)の安否情報は1カ月を迎えた今も届いていない。宜豊さんの帰りを待つ家族は17日、本紙の取材に、「クリスマスや年末、正月という気分にはなれない。年は越せない」と悲痛な思いを語った。海保による捜索活動が打ち切られた今も、家族は情報を探し求めている。

 先月16日早朝、釣りに出掛けると家族に言い残し、自宅を後にした宜豊さん。同日午後7時30分になっても帰宅しないことから家族が第11管区海上保安本部に通報。石垣海上保安部が6日間にわたって捜索活動を行ったが発見には至らなかった。その後も家族は市街地から北部地域まで情報を呼びかけるチラシを各店舗や個人に配布して協力を求めた。与那国島以外の離島にも足を運び、海岸沿いを歩いて探した。また、フェイスブックでもチラシを公表し「気づいた事は教えてほしい」と呼びかけた。

 行方不明から丸1カ月となる16日夜には、当時宜豊さんが身につけていた帽子が発見されていたことが分かった。妻の恵子さん(57)が自分の携帯電話に保存していた夫の画像を確認していたところ、先月19日に二男の宜朝さんが黒島の海岸沿いで発見したものと同じ帽子をかぶった姿があった。その当時は夫の帽子とは分からず回収しなかった。

 自宅は、宜豊さんの帰宅を待つように部屋はそのままの状態で残されている。玄関を入ると宜豊さんが釣りに出掛ける際に愛用する数種類の帽子が掛けられ、仕事で着用する紺色の作業着はしっかりとアイロンがされていた。 

 恵子さんは、行方不明になった日以来、宜豊さんが出港した浜崎マリーナに毎日足を運び「帰ってきて」と海に願う。「1カ月が経過したが、気が休まる日はなく、あっという間。雨の日は(ぬれて寒くないか)心配で考える。帽子が分かっただけでも良かった」と振り返ったが苦しい日々は今も続き、納得がいくまで捜したいという家族の姿勢は変わらない。

 「紙面を通して市民の皆さんにわずかなことでもいいので情報を頂きたい」と家族は情報提供を呼びかける。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 16824

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>