石垣島以外の離島で感染症患者が発生した場合に感染症指定医療機関までの移送方法や体制を検証しようと、八重山福祉保健所(崎山八郎所長)は15日午後、旧石垣空港などで訓練を行った。
新型インフルエンザの感染が疑われる与那国町の住民が15日午後1時に与那国診療所を受診したと想定。石垣市消防本部や八重山病院などから約40人が参加した。
同保健所はこれまで西表島大原や小浜島などから船舶での移送訓練を実施。今回初めてヘリを使った訓練を行うことになっていたが、機体の運用がうまくいかず、保健所から車で患者を運ぶ形に変更した。患者は陰圧をかけ、フィルターを通して排気するDIFフードと呼ばれる装置を今回初めて着用し、訓練に臨んだ。
午後2時50分ごろに車が到着し、救急車で八重山病院に搬送。患者の診察や検査などを終えた後、患者が触った場所や患者を運んだ車両の消毒なども行った。
訓練後の反省会では連絡体制や搬送状況などについて参加者が振り返った。第11管区海上保安本部石垣航空基地の担当者は「事前に保健所の職員から感染防護服(PPE)についてレクチャーを受け、知識が身に付いたので、きょうできなかった分を別の機会で実施し、検証していきたい」と述べた。
崎山所長は「今回は残念ながらヘリを使った訓練はできなかったが、来年以降に実施できればと思う」と話した。11月中旬には訓練の映像を見ながら検証し、国立感染症研究所の専門家を交えたミーティングも行う。