開会中の9月定例与那国町議会(糸数健一議長)は2日、陸上自衛隊沿岸監視部隊配備が計画されている南牧場周辺の町道2本の廃止案と、駐屯地への給水施設整備に向けた測量設計の委託費を計上した簡易水道事業特別会計補正予算案を賛成2、反対3の賛成少数で否決した。町が提案した議案が否決されるのは、9月29日の議長選出後に野党多数となってから初めて。
外間守吉町長は「今回は自衛隊に特化した議案だったので否決は予測できた」と冷静に受け止めており、今後の議会運営への影響については「自衛隊以外にもあれもだめ、これもだめといったことが続けば、議会運営の停滞につながりかねない。野党や議会への事前の話し合いや説明などで調整していきたい」と話した。
町まちづくり課によると、廃止案が否決された町道樽舞3号(延長670.1㍍)と同久部良貯水池(延長343.0㍍)は沿岸監視部隊の施設配置予定地にある。
討論では野党の田里千代基氏が「自衛隊配備について民意が示されていない状況で、施設建設に向けた路線廃止は配備を受け入れる既成事実になりかねない」と反対討論した。
賛成討論はなかった。また、同特会補正予算案では670万円が計上されていた。
沖縄防衛局報道室では「議会で決めることにはコメントを差し控えたい。自衛隊配備に関しては住民に理解を求めていくだけ」と話している。