きょうから10月。食欲と芸術の秋を楽しみたいところだが、ところがどっこい1日から外食や厚生年金の保険料率などが上昇し、家庭にとっては苦しい「値上げの秋」となりそうだ▼9月の乳製品や魚介類の缶詰などの食品に続く値上げの第2弾。円安や世界的な天候不順で原料価格が上昇したほか、原油高騰などで生産コストが膨らんでいることが背景にあるといわれる▼今年は台風と長雨の影響で夏野菜の価格も高騰している。生活に必要な食が高い。ぜいたく品なら買わずにすむが、生活必需品は逃げるわけにはいかない。値上げの分を他の消費財で切り詰めざるを得ず、個人消費の冷え込みによる景気の悪化も懸念されている▼会社員にとっては、加入する厚生年金の保険料率(労使折半)が、従来の17・120%から17・474%に上がる。月収が諸手当を含め30万円の人の場合、毎月の天引き額が531円増える▼政府が実施する経済対策「アベノミクス」によって、国内の景気は着実に回復傾向にあると言われているが、まだまだそれを実感できるレベルにはない▼円安を受けての秋の値上げラッシュ。今春、消費税が8%に引き上げられ、出費が増えている家庭では一層の負担を強いられそうだ。ああ、庶民の生活が楽にならざるは政治が貧しいからである。(鬚川修)
↧