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Channel: 八重山毎日新聞社
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主役は自治体と地域住民

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■選挙向けパフォーマンス

 第187回臨時国会が11月末までの日程で29日召集された。今国会は第2次安倍改造内閣が二本柱に掲げる「地方創生」と「女性の活躍」が焦点。中でも「地方創生」は、地域活性化と人口減少対策を基本目標に掲げた「まち・ひと・しごと創生法案」や、地域活性化に意欲的な地方自治体が財政支援などを受けやすくする地域再生法改正法案などが提出され、われわれ地方に目が向けられるだけに、審議を通してどういう支援策が示されるか注目だ。

 この地方創生の取り組みは、2040年までに国内の約半数の市区町村が東京への一極集中などの人口減で消滅の危機にあるとするショッキングな試算と、アベノミクスの恩恵は大企業と都市部だけが受けているとする地方の不満を受けてのものだ。

 それだけに来年4月の統一地方選に向けた点数稼ぎのパフォーマンス、国民の税を使った選挙対策だとする批判もあるが、それがそうなら確かに納得できるものではない。ただ国が本気で地方再生に取り組むなら八重山もそれを好機として地域活性化に生かさない手はない。3市町は早速事業スタートに向け準備を進めるべきだ。

■魅力ある就業機会の創出

 先月3日各省庁横断の約70人の職員で発足した首相を本部長とする創生本部は、基本目標を次の通り掲げた。  「地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服する。そのために国民が安心して働き、希望通り結婚して子育てができ、将来の夢や希望を持つことができるような、魅力ある地方を創生し、地方への人の流れをつくる」

 「人口減少・超高齢化という危機的現実を直視しつつ、景気回復を全国津々浦々で実感できることを目指し、従来の取り組みと異なる大胆な政策を、中長期的な観点から確かな結果が出るまで断固として力強く実行していく」

 これを受けて地方創生法案は、基本理念に▽魅力ある就業機会の創出▽結婚や出産、育児に希望の持てる環境の整備|など7項目を掲げた。

 地方の問題を的確にとらえた素晴らしい基本目標と理念だが、しかしそれが言うは易しで、かつての竹下首相の「ふるさと創生1億円事業」のように看板倒れに終わらないことを願う。

■求められる地域住民の知恵

 確かに地域活性化には、魅力ある就業機会の創出と結婚し子育てできる環境整備が必要。どうすればそれが実現できるかは、各自治体や地域住民の知恵と自発的な取り組みが基本となる。

 八重山は今、新空港の開港効果で地域経済は大いに活性化している。それがいつまで続くか。鹿児島の新幹線開通効果は3年目で陰りが出てきたという。新空港も来年3年目を迎える。

 さらに八重山経済を支える観光産業は、その時々の経済情勢に左右されて実に不安定だ。それだけに雇用を創出し地域経済を活性化するには、かつてのパイン工場のように製造業の起業や農漁業の6次産業化が必要であり、そのためには行政の支援が欠かせない。

 沖縄振興一括交付金も、各自治体の知恵が求められているが、地方創生も「地方が主役」であり、地域の知恵と潜在力を活性化に生かしたい。


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