八重山、黒島両家畜市場で今年1月から9月に取引された子牛1頭当たりの平均価格がいずれも49万円を超え、昨年同期を八重山が約5万3000円、黒島が7万3000円上回る高値となっている。特に黒島は、平均で八重山を1000円以上上回る過去最高価格で推移している。JAおきなわ八重山地区畜産振興センターによると、高値は、全国的な子牛不足を背景に全体的に価格が底上げされ「(価格が)下がる要因が見当たらない。高値は当分続く」とみている。
9月までの子牛の平均価格は八重山が49万3591円で、前年を5万3337円(12・1%)上回った。
一方、黒島は49万4673円と前年を7万3291円(17.4%)上回り、これまであった八重山家畜市場との価格差を逆転した。
この要因について黒島肉用牛生産組合(仲盛治吉組合長)は、行政の補助を受け県外から優良母牛を導入することで母牛の改良が進んだことと、全上場牛に削蹄(てい)やヘモワクチンを接種する取り組みが奏功した、とみている。
9月までの取引状況は八重山が頭数6859頭(前年比49頭増)、販売額31億9677万円で前年比3億5506万円増。黒島は頭数723頭(同32頭減)、販売額は前年を3188万円上回る3億3066万円となっている。
石垣島和牛改良組合の佐久盛繁組合長は、高値は評価しながらも子牛の上場頭数が減少傾向にある実態を指摘。「1農家1増頭運動に取り組み、上場頭数を安定的に増やしたい」と話した。