これまで大きな病気をしたこともなく、元気に成長してきた最愛のわが子が、ある日突然、心臓移植でしか助かる道がないと診断を下されたら、家族の胸中はいかばかりか察するに余りある▼北谷町在住の松島良生(らい)君=桑江中1年=は、難病の「心筋炎後心筋症」を患い、米国に渡航して心臓移植手術を受けることになり、両親と支援者らが費用となる2億1500万円の募金への協力を呼び掛けている▼良生君は昨年12月中旬、発熱で町内の病院を受診し、風邪と診断された。発熱が続き嘔吐(おうと)したことから総合病院で検査した結果、急激に心臓の機能が低下し、命に関わる危険性がある「急性心筋炎」であることが分かった▼県南部医療センター・こども医療センターに搬送されたが、わずか数日で心肺が停止する「劇症型心筋炎」となった。治療で体外式左室補助人工心臓、右室補助などを行い、一命を取りとめている▼米国での移植手術は、健康保険など公的な補助が一切なく莫大(ばくだい)な費用がかかる。とても個人で工面できる金額ではない。12月の渡航までに、約1億6200万円を受け入れ先病院の口座に振り込まないと受け付けがされない▼将来の夢はサッカー選手という良生君。前途ある12歳の救える命が助けを求めている。みんなの善意の輪で救ってやりたい。(鬚川修)
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