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日本の道徳教育は名護親方の「六諭衍義」…

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 日本の道徳教育は名護親方の「六諭衍義」(りくゆえんぎ)が基礎にあるという▼名護親方といえば、尚敬王代(1713〜1751年)に具志頭親方祭温とともに活躍した沖縄の偉人。那覇市久米に沖縄で初めて国学(大学)を建て、教育の必要性を説いた▼中国・明朝、清朝の教育原理の書「六諭衍義」をテキストとして採用、道徳、語学の活用していた。これは尚敬王の即位謝恩使の江戸上りの際、8代将軍・徳川吉宗に献呈された▼将軍吉宗はこれを貴重な書だと認め、2人の学者に命じて和訳と解説書を作らせたという。以降、六諭衍義は江戸、明治、大正、昭和の戦前まで我が国の教育原理の基本になったといわれる▼この六つの教えは「孝順父母」「尊敬長上」「和睦郷里」「教訓師弟」「各安生理」「母作非為」。例えば母作非為は、善い行いを為せと説く。また名護親方のいろは教訓歌は、「黄金言葉」(くがにくとぅば)として県民に広く伝えられている▼時は流れ、教育原理も大きく変わった。現在では万人に受け入れられないものもある。押しつけられる道徳であってはいけないが、成人式のニュースで毎年のように取り上げられる一部の荒れた沖縄の若者の光景を見たとき、名護親方ならどう思うのだろうか。(黒島安隆)


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