クルーズ船で来島する台湾人観光客の受け入れを強化しようと、県ハイヤー・タクシー協会八重山支部(請盛真実支部長)は、石垣市が外国人観光客向け観光人材バンク事業の一環としてタクシー乗務員限定で行う中国語講座を活用し、乗務員の語学力向上に努めることにしている。市と協会がタイアップして中国系観光客に対応できるタクシー乗務員の養成に乗り出した格好。石垣市内で加盟する12社の乗務員ら15人が受講する。請盛支部長は「中国語を話せる乗務員を少しでも増やし、現場で生かしたい」と意気込んでいる。
クルーズ船寄港時に八重山支部は、タクシー乗り場に通訳を配置したり、独自に資料を作成したりして案内しているが、客が乗り込んだ後、乗務員が中国語が分からず、時間や目的地の変更などの際に苦慮しているケースがあるという。このため、現場レベルでも意思疎通ができるようにし、サービスとホスピタリティーの向上を目指す。
2013年度までの2年間は県が八重山圏域の観光関連業者を対象に外国語講座を開いてきたが、14年度は石垣市が行うことになり、タクシー業界の現状を受け、初めて乗務員に限った中国語講座を用意した。
講座は24日から11月26日まで毎週水曜日の午後7時から2時間の全10回を予定。市の委託を受けて講座を担当するNPO法人八重山美ら島塾(玉城信夫理事長)によると、講座の前半は発音などの基本、後半は現場でよく使用する中国語を学ぶ。玉城理事長は「最低限必要な中国語をマスターしてもらいたい」と要望した。
請盛支部長は「自分たちで勉強して対応できるようにしたい。少しでも中国語が話せるようになれば早く対応できるようになる。今後も話せる人を増やしていきたいので、講座を継続してもらいたい」と話している。
市観光文化スポーツ局の大得英信局長は「受け入れ環境の強化を図り、ホスピタリティーのあるまちにしていきたい」と期待する。