今月初めの内閣改造で総務副大臣に八重山も選挙区にする沖縄4区の西銘恒三郎衆院議員(自民)が就任した。沖縄から3人目の副大臣だが、本人の喜びや意欲とは裏腹に批判的に冷ややかにみている県民は少なくない▼それは全国紙で報じられた入閣が期待外れに終わり、参院外交防衛委員長も固辞した島尻安伊子参院議員に対しても同様だ▼沖縄は12年12月、普天間飛行場の県外移設を求めて県議会や県内の全首長らが保革を超えて安倍首相に「建白書」を提出。戦後初めて沖縄の民意が一つになった▼それを両氏は真っ先に公約を破棄。国のお先棒を担いで「オール沖縄」の民意を内部から崩して仲井真知事の辺野古埋め立て承認・着工へとレールを敷き、結局は政府と党の要職狙いとの見方が当初からあったからだ▼特に島尻氏に対しては国家権力の代理人よろしく、辺野古の反対派を抑圧する過剰警備を誘導し憤りはなおさらだ。今回の県知事選は、こうした仲井真知事や県選出自民国会議員らの公約撤回に対し、県民の規範意識を問うものでもある▼そこで注目されているのが公明党の動向だ。県本部は昨年12月、県外移設を求め、辺野古反対の提言書を知事に提出している。それを規範を重んじる公明党までが、自公連立重視で県民をあざむくべきでない。(上地義男)
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