石垣島に住む台湾出身者がブタを丸ごと供えて無病息災や商売繁盛を祈願する土地公祭が7日午前、名蔵御嶽で開かれた。
土地公祭は台湾や中国で広く信仰されている「土地公」に祈りをささげる儀式。旧暦8月15日に行う習わしだったが、子どもたちが参加しやすいように最近では旧暦8月15日に近い土日に開催している。
この日は、丸ごとのブタ2頭がささげられたほか、会場には鶏肉や豚肉、魚、果物、菓子などが並んだ。
爆竹が鳴り、午前11時ごろに祈願がスタート。出席者は独特の細長い線香をささげたり、紙銭を燃やしたりしながら商売繁盛や無病息災を願った。合間にはビーフンも振る舞われた。
舞台では琉球華僑総会八重山分会(王田達夫分会長)の婦人部が豊作を祈るアミ族の踊りを披露したほか、「メケアロハプメハナサークル」(内間知恵子代表)がフラダンスを踊った。
来年の土地公祭までの間、土地公の神像を預かって世話をする役目の「炉主(ローツー)」には王滝志隆さん(60)=浜崎町=が選ばれ、「突然の大役で、まだ心の準備ができていない部分があるが、先輩たちから受け継がれてきた伝統をしっかり守っていきたい」と話した。
志隆さんの母・幸江さん(81)は「毎年楽しみにしており、どんなに忙しくても来ている。土地公祭はふだん会えない人とも会える大切な行事」と笑顔で語った。