国政選挙と違い地方選挙、ことに島の選挙は党派、政策などは二の次で地縁血縁、友人知人、職場などをベースに票を積み上げていく「しがらみ選挙」加えて「ブンジ（恩義）選挙」▼古参になるほど、よく聞かれる支持理由が「日ごろ、世話になっている」ということ。政治手腕よりも面倒見が評価され、子弟の就職の後押しをした、晴れのお祝いの席で祝辞を述べ箔（はく）をつけてくれた、生活保護受給の口利きやもめ事を仲裁してくれたなど事細かな働きには感心するしかない▼こんな海千山千の再選議員に新人が挑むのは容易なことではない。とどのつまりは「どぶ板選挙」つまり有権者を数多く訪ねて歩き顔を覚えてもらう、または覚えることで投票してもらう古典的な運動に行き着くようだ▼近年は朝立ちと称し、のぼりを掲げ街頭に立ち、通行人に手を振りお辞儀するスタイルも現れた。知人が毎朝の車通勤の折、朝立ちの街頭で放たれる候補者の笑顔に引かれ、一度は直接励まそうと思い立った▼偶然近くを徒歩で通る機会があったので頑張れよと声かけたら、ありがとうございますの笑顔は返ったが誰だか思いだそうと焦っているようす。一瞬で走り去る大勢の一人だもの覚えている方が不思議かも▼こんな政治体質を変え議会を正すのも選挙。投票に行こう。（仲間清隆）
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