【竹富】竹富の結願祭が8月29、30日の両日に島内の各御嶽で厳かに行われた。一年間の祈願が成就したとして感謝の願解きを行い、狂言などの芸能が奉納された。
29日夜は、神司が3カ所の御嶽で夜通し祈願。30日は公民館執行部と有志が弥勒奉安殿から22カ所の御嶽を回りながら祈願の成就に感謝した。
清明御嶽では芸能を奉納。毎年必ず披露される荘重な「始番狂言」と軽妙な「芋掘り狂言」はそれぞれに味わい深く、舞踊も3集落から2点ずつ奉納された。
島では、このところ雨が降らず、町内放送で節水の協力を呼び掛けているが、芋掘り狂言の奉納の最中には、約20分ほど強い雨が降った。
参加者らは「まさに世果報雨」と喜び、28日から竹富島で祭りについて学んでいる法政大学梶研究室の18人の学生たちも雨願いがかなったことに驚いていた。
竹富島の結願祭は、1875(明治8)年に害虫が大発生し、島民が飢饉(ききん)に苦しんでいた際に知念政伝与人(ゆんちゅ)が願い始めたことから発祥したと伝わっている。