会った人の顔と名前を一度で覚えてしまう人がいる。一方で何回会っても覚えきれない人がいる。いずれにしても記憶というものは繰り返し反復して覚えていくことが肝要だという▼その伝でいくと、覚えるまでは何度も会えばいいということになるが一般社会人には、そんな余裕はない。その点教師は、短くても1年、長ければ3年間も同じ学校に勤めることになるので、ほぼ毎日のように子どもたちと接することで、顔と名前をたくさん覚えているに違いないと、校長で退職した友人に聞いてみた▼ところが、意外にも自信無げ。苦労させられた子どもや直近の学校の子どもたちならともかく、転勤に次ぐ転勤と年を経てしまうと、だんだんあやしくなってくるという▼ゆえに「先生お元気ですか」と笑顔ですり寄られた日には、覚えていなくても同じく笑って「元気で頑張っているか」の一点張り、毎度冷や汗をかいているとの由▼また「先生私を覚えていますか」と迫られ、どうしても思い出せない時は先に名乗らせ「英郎です」に「英郎は知っている、姓を尋ねている」とすかさず応酬「内原です」「あっそうだ、内原英郎君だったね」と平静を装い、その場を切り抜けたりするとのこと▼人の顔と名前を数多く覚えることが有利な島の選挙が本日から順次始まる。(仲間清隆)
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