文科省が全国の小学6年生と中学3年生を対象に行った本年度の全国学力・学習状況調査の結果が25日公表された。石垣市は小学校4教科のうち2教科で県平均を上回り、4教科の平均でも県を上回った。前年まで県平均と5ポイント近く開きがあっただけに大健闘だ▼会見した市教育委員会の玉津博克教育長は、市が学力向上の施策として取り組む「冠鷲プロジェクト」の成果を強調。「さらに充実強化していく」と意欲を示した▼同じく、結果を公表した竹富町は小、中とも全教科で全国平均をも上回った。少人数学級による授業効率の高さが存分に発揮された格好だ▼小学校で順調に成果が上がる中、石垣市の課題は依然として県、全国平均を下回る中学校の学力向上だろう。市教委では、習熟度別の少人数指導や2人以上の教職員による連携指導など、個に応じた指導の充実を図る方針だ▼中学校から教科も増え、授業の内容も難しくなるだけに、学力の定着には日々の学習の積み重ねが必要。生徒、教師ともに粘り強い取り組みが求められる▼今回の調査では、沖縄県全体も昨年までの最下位から24位に順位を上げた。歴史的快挙だ。今回の結果を一過性に終わらせないためにも、県全体で学校、家庭、地域が連携した取り組みの強化が必要だ。(下野宏一)
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