【西表】南アジアのスリランカ共和国の北西部にあるクルネーガラ県で地元の専門学生や企業を対象にボランティアで自動車やバイク整備の技術指導を行うため、西表島交通㈱船浦整備工場勤務の寺崎茂さん(66)が9月15日に現地へ出発する。滞在期間は10日間。ボランティアは2008年4月に続き2度目。「基本技術と整備士とは何かを伝えたい」(寺崎さん)という。
寺崎さんは東京工科専門学校(東京都中野区)でエンジンメンテナンス学科の教諭として35年間勤務。08年の定年後に趣味のディンギーヨットでサンゴ礁の海を駆け抜けたいという思いで西表島に移住した。
スリランカへの技術ボランティアは、08年4月に友人の誘いで全額自己負担で初参加。 当時は現地の工業高校の生徒を対象に技術指導を行った。寺崎さんは「発展途上国だが、生徒たちの学ぶ姿勢は真剣。ボランティアのやりがいを感じた」と振り返る。
スリランカの主な産業は紅茶や天然ゴム、コーヒーや糖業。住民の「足」を支えるのは鉄道が主流だが、自動車やバイク人口は年々増加。寺崎さんによると、専門的な知識を要する自動車整備士の社会的地位は高いという。今回の活動では、コンピューター制御された車両の電子制御システムの整備や専用機器を使った故障診断方法などを技術提供する。
今回の渡航を最後に現地でのボランティア活動を終えるという寺崎さんは「基本技術と整備士とは何かを伝えたい。現地の人々の力になれたらうれしい」と語った。
寺崎さんの活動に対し同社の林隆志工場長(44)は「知識や経験が豊富な人で社内では重要な存在。現地で頑張ってほしいので、気持ちよく送り出したい」と話している。