レコードが聴かれなくなって久しい。CDなどデジタル機器の普及で気軽にクリアな音を聞くことができるようになり、徐々に置き換わり、姿を消した。以前は多くの家庭にプレーヤーがあり、ヒット曲などをレコードで聴いていたものだが、今では見かけることもほとんど無くなった▼だが、CDなどのデジタル機器と比べ決してクリアではないが、レコードの音を聴くと懐かしさとともに、奥行きのあるアナログの音の良さを感じることができるだろう▼先日、ある愛好者から市立図書館に眠っている1千枚を超えるレコードの有効活用を訴えられた。図書館によると、ある程度の分類はしてあるが、市民への貸し出しなど、有効利用はできていない状態だという▼たしかに、図書館にはCDなどは陳列され、市民も利用しているようだが、レコードは見かけない。せっかくの貴重な財産を倉庫に寝かせて置くのももったいない気もする▼リスニングルームを設け、ヘッド本越しにでもレコードを鑑賞できるようにしてはどうだろうか。有効活用には気軽に聴ける環境は必要だろう▼身の回りでデジタル化、コンパクトが進み、利便性が高まる中、最近見直されつつあるアナログのレコードを聴くことで、デジタルにはない音の奥深さを実感できるかもしれない。(下野宏一)
↧