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Channel: 八重山毎日新聞社
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自転車で転んだ。道路路側帯に落ちていた…

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 自転車で転んだ。道路路側帯に落ちていたフクギの実を踏んで滑った。人目を気にして逃げるように去ったが、尻が痛い▼地域を守り続けた大事な木だが、子どものころからフクギを好きになれなかった。屋敷の防風木としては最適で、虫もあまりつかない。木の上に小屋を造って毎日遊んだが、夏から秋にかけて黄色の実が落ち、強烈な臭いがする▼放置すると銀バエがたかり、人が来ると「ブーン」と、ものすごい音をたてて飛び立つ。このため、多くの家庭がフクギの実片付けを日課としていた。実を放置すると、近所迷惑になっていた▼時が流れ、街は大きく変わった。石垣に代わってブロック塀が主流になった。県内でもフクギ並木が残っている地域は本部町の備瀬など一部。赤瓦の木造家屋に石垣、フクギの3点の風情がなくなったのは残念だ▼しかしフクギは道路植栽で残った。昔のイメージの景観に対する思い入れが強いのだろう。だが街路樹として普及させるには疑問。なぜなら道路行政の現状は、予算不足で管理が十分にできないからだ▼フクギは大量に落実があり、清掃をまめにしないと、バイクや自転車の事故を誘発しかねない。さらに衛生害虫の発生要因にもなる。実際に実を踏んで転んだり、ヒヤリとした人は少なくないかもしれない。(黒島安隆)

 

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