戦争への警鐘。埼玉県飯能市に住む詩人宮尾節子さんの詩「明日戦争がはじまる」が反響を呼んでいる▼安倍内閣による特定秘密保護法成立や、集団的自衛権行使容認の閣議決定に対する国民の不安や反発に呼応するように、インターネット上で拡散中という▼詩は「まいにち 満員電車に乗って 人を人とも 思わなくなった」で始まる。さらに「インターネットの 掲示板のカキコミで 心を心とも 思わなくなった」「虐待死や 自殺のひんぱつに 命を命と 思わなくなった」「じゅんび は ばっちりだ」と続いてゆく▼そして「戦争を戦争と 思わなくなるために いよいよ 明日戦争がはじまる」で終わる。宮尾さんは人々の無関心と無感動、無気力からくる世の中の恐ろしさを詩に託し、「平和や命をないがしろにしないで」と呼び掛けている▼戦没者を追悼する8月は、平和への誓いを新たにする月でもある。きょう6日は広島原爆忌。69年前のこの日、一発の原子爆弾が広島上空に投下され、瞬時にして多くの生命を奪った▼戦争を知らない親が増えている今だからこそ、悲惨さを語り継いでいく意味は大きい。恒久平和を守るために何をするのか。戦争を起こすのは人間。それ以上に戦争を許さないと言うことができるのもまた人間であることを忘れたくない。(鬚川修)
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